住宅ローンと介護費用が重なり返済が厳しくなった実例

全部を守ろうとして、自分たちまで壊れそうになっていました。

住宅ローンを契約した頃は、両親も元気でした。

「子どもが独立する頃には住宅ローンも終わる。」

そう思い描いていた将来が、大きく変わったのは一本の電話からでした。

「お父さんが倒れた。」

突然始まった介護生活。

毎週末の実家への往復、介護用品の購入、仕事との両立、そして住宅ローン。

生活は少しずつ、しかし確実に変わっていきました。

今回は、親の介護と住宅ローンの両立に悩みながらも、家族全員が納得できる選択をされたご夫婦のお話です。

家族構成50代夫婦・大学生の子ども1人
職業夫:会社員/妻:パート
物件種別分譲戸建住宅
地域神奈川県
住宅購入時期2012年(購入から13年)
住宅ローン残高約1,420万円
毎月返済額98,000円(ボーナス払い:年2回・各150,000円
相談時の状況延滞なし・介護開始から約1年
主な課題の介護費用・交通費・収入減
解決方法住み替えによる返済負担軽減
相談前親も家族も守りたい。優先順位不明
分類カテゴリ介護・生活再設計型

Q. ご相談のきっかけを教えてください。

A.父が脳梗塞で倒れた日のことは、今でも鮮明に覚えています。

病院へ向かう車の中では、「命が助かってほしい」ということしか考えられませんでした。

幸い命に別状はありませんでしたが、右半身に麻痺が残り、一人で生活することは難しいという診断でした。

それから毎週末は実家へ通い、介護サービスの手続きや買い物、病院の付き添いをする生活が始まりました。

最初は「何とかなる」と思っていましたが、気が付けば一年が過ぎ、家計にも少しずつ影響が出始めていました。

Q. 一番大きく変わったことは何でしたか?

A. 時間とお金の両方です。

介護用品や交通費だけではありません。

妻も介護を手伝うためにパートの勤務日数を減らしました。

収入は減る一方で、支出は増えていきます。

住宅ローンの支払いは続きますから、「毎月の赤字をどう埋めるか」という生活になっていました。

Q. ご家族で話し合われたことは?



A. 何度も話しました。

でも、お金の話になると、お互いに遠慮してしまうんです。

父の介護を優先したい。

でも、自分たちの生活も守らなければいけない。

子どもは大学生で、学費もまだ必要でした。

「全部守りたい」と思えば思うほど、答えが出ませんでした。

Q. 相談しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?


A.妻の一言です。

「私たちだけで抱え込んでも、誰も助からないよ。」

その言葉で、初めて第三者に相談することを考えました。

相談したら「介護を理由に相談される方は珍しくありません」と言われて、少し肩の力が抜けました。

自分たちだけではなかったんだ、と安心しました。

Q. 解決までの流れを教えてください。


A.最初に、家計を細かく見直しました。

住宅ローンだけではなく、介護費用、教育費、固定費まで全部です。

そのうえで、金融機関とも相談し、今後の返済計画を現実的なものに組み直しました。

また、介護保険制度や自治体の支援制度についても教えていただき、知らなかった制度を利用できたことも大きかったです。

「住宅ローンだけを考える」のではなく、「生活全体を整える」という視点で考えられるようになりました。

Q. 解決までの期間はどのくらいでしたか?

A.初回相談から約2か月です。

一番大きかったのは、「何を優先すべきか」が整理できたことでした。

Q. 現在の生活はいかがですか?

A.介護は今も続いています。

楽になったわけではありません。

でも、先が見えない不安はなくなりました。

父にも、自分たち家族にも笑顔が戻ってきたと思います。

Q. 同じような状況の方へ伝えたいことはありますか?

A.介護って、本当に突然始まります。

そして、自分の生活も大きく変わります。

だからこそ、一人で抱え込まないでほしいです。

相談したからといって、すぐに家を売る話になるわけではありません。

私たちは「これからどう暮らしていくか」を一緒に考えてもらえたことが、本当にありがたかったです。

■ 担当者コメント

今回のご相談で印象的だったのは、ご主人が最後におっしゃった

「全部守ろうとして、自分たちまで壊れそうになっていました。」

という言葉です。

親の介護が始まると、多くの方は「介護」と「住宅ローン」を別々の問題として考えてしまいます。

しかし実際には、介護費用、働き方の変化、教育費、住宅ローンなど、生活全体が密接につながっています。

私たちは住宅ローンだけを見るのではなく、そのご家庭全体の暮らしを一緒に整理することを大切にしています。

介護は長期化する可能性もあります。だからこそ、「今月を乗り切る」ではなく、

「5年後、10年後も安心して暮らせる設計」を一緒に考えることが重要です。

あの時こうしていれば…

インタビューの最後、ご主人はこんな言葉を残されました。

「介護が始まった時に、もっと早く家計全体を見直していれば、あんなに不安な時間を過ごさずに

済んだかもしれません。」

介護は避けられないライフイベントの一つです。

しかし、住宅ローンも介護も「一人で抱え込むもの」ではありません。

生活が大きく変わるタイミングこそ、将来を見据えて一度立ち止まり、現状を整理することが、

家族全員の安心につながります。